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SELFVERSE

Viewer-participatory light experience | 2021 - Currently

本作品「SELFVERSE」は、2021年に來迦結子によって発表された、鑑賞者参加型の光の体験作品である。

この作品は、"創造の喜びによる自己拡張"、"共創性"、"個々の境界の解除"を祝福する。



暗い展示空間にランダムに配置された、フィルムやホログラムシート、ミラーボールなどの光を反射する様々な素材。それらに鑑賞者が懐中電灯の光を当てると、展示空間の壁や天井に、幻想的なリフレクションが映し出されます。まるで魔法のように突然現れる美しい光景に、鑑賞者は心地よい驚きを感じることだろう。

鑑賞者は反射素材を手に取り、自由に組み替え、様々な実験を楽しみながら、自分だけの光の世界を創造・探求することができる。
プログラミングやデジタル機器を一切使わない
このアナログ・インタラクションは、鑑賞者による唯一無二のクリエイションを生み出すことになる。

鑑賞者自身による、無限の可能性を秘めたこの創造世界を、本作品では「SELFVERSE (自己の宇宙)」と呼ぶ。
 

この作品は、自己の内外的な拡大を促すだけでなく、友人や家族、その場に居合わせた鑑賞者同士が協力し合い、それぞれの「SELFVERSE」を統合する場でもある。

光を操り、喜びを分かち合い、ひとつになって共同創造することで、無限の宇宙が自然に形成される。この遊び心に満ちた共同体験は、アート・メディウムとしての光を通して、自と他の境界をゆるやかに溶かし、一体となった共感を育むことだろう。

Yuiko Rayka, 來迦結子

今日のテクノロジー主導の世界において、人間の手によって物理的に操作された光の反射を利用するこのアートワークは注目に値する。懐中電灯と反射材料という、一見ありふれたツールと手法だけで、これほど複雑で多様な視覚効果を創出する点は、人間の創造力と想像力、道具のシンプルさの可能性を明示している。このインスタレーションは、参加者に直接的で感覚的な経験を提供し、創造性を刺激するとともに、人間らしい感情や思考過程を、創造体験に生き生きと反映させる。

一体感、調和、無常などの東洋思想のエッセンスを含む、このシンプルでありながらも力強い作品は、美術史における複数のカテゴリーを包括し、伝統的な境界を超えた多層的なアート体験を創出する。この作品は、人間と社会におけるアートの役割と意義の再定義を促し、多中心的な表現形式の新たな方向性を象徴している。

ARTIST STATEMENT

私は​一貫して、私たち人間一人ひとりが持つ未知の可能性や、個々の存在の素晴らしさを、作品を通して表現することを試みています。 本作品「SELFVERSE」においては、鑑賞者は傍観者ではなく、当事者として、自分自身の可能性の輝きを、喜びをもって体験することとなります。 アーティストによる創造的な発見や、その成果物(作品)から、最初に感動を得るのは誰であるかを問うならば、それは間違いなくアーティスト本人であると私は考えます。アーティストは創造を通じ、自身と自身の世界が拡張する感覚を得ています。これまでの自分を超える可能性を感じることは、アーティストにとって大きな喜びとなるでしょう。 2018年のある日、光を使った実験をしていた私は、後に「SELFVERSE」で採用することになるシンプルな創造的手法と、それがもたらす大きな喜びを発見しました。そして、このアイデアを使えば、創造的な興奮と喜びを他の人々とシェアすることができるのではないかと思いつきました。このアイディアは、反射素材に光を当てるという、多くの人が一度は経験したことのある単純な仕掛けであるからこそ、鑑賞者の創造性に直接的な働きかけをすることができると考えたのです。 着想から間もない2018年8月​末、「宇宙をつくる、宇宙で遊ぶ」というタイトルで、「SELFVERSE」のプロトタイプを自主企画で発表しました。その展覧会において、鑑賞者、つまり作品の参加者たちが、彼等の創造行為を楽しみ没頭する姿を見て、私はこの作品にとって最も重要な要素は「人」であると確信しました。 人は皆、各々が素晴らしい創造的宇宙を持っています。その宇宙を発展させ、他者の宇宙と融合させ、無限に拡大してゆくことが私たちにはできるのです。本作品における参加者のアクション、参加者同士のコラボレーションと、彼らの光が織りなす世界は、まさにそのことを体現していると言えるでしょう。 また、本作品においては、作品の作者である私の想像を超えたクリエーションを、参加者たちが行うこともあり得ます。アーティスト、媒体としての作品、参加者という「個」が、その垣根を緩やかに溶かし、一体となって無限の宇宙創造を繰り広げる。それがこの作品なのです。 私たちは今、新しい時代を迎えました。近年、さまざまな苦難や変化を経験した私たちは、新しい時代に向けて精神的な進化を求められています。 私たちは個人個人が本来の可能性を喚起させ、力強く現実創造をしてゆくこととなるでしょう。 私はこの作品が、未来に向けた人々の目覚め貢献することを願います。私たちは、自身の創造力と可能性を駆使し、新しい時代を創ってゆくのです。 2023年 來迦結子

Exhibition shots 展覧会の様子

VIEWERS' IMPRESSIONS 鑑賞者の感想

來迦結子個展「INTO THE SELFVERSE」アーティストトークから抜粋。2021年12月22日 京都 Gallery G-77にて。

「SELFVERSE」展覧会・ワークショップについて

「SELFVERSE」は常に創造性の限界を押し広げながら成長を続けています。展覧会の度、NFT参加証明書や磁気浮上装置などの新しい仕掛けや、アーティスト本人や参加者による新しいアイディアがが取り入れられ、参加者の体験はさらに豊かになっています。またこの作品では、参加者の存在が非常に重要です。展示の内容は毎回異なる参加者によって更新され、その場におけるユニークなクリエイションが実現します。

「SELFVERSE」はこれまで、京都、シアトル、マイアミ、ニューヨーク、ベルギーの、ギャラリーやアートフェア、文化施設で展示されており、今後も他の国や地域への展開を予定しています。さらに、科学、教育、医療など、様々な分野とのコラボレーションも視野に入れています。

「SELFVERSE」は、展覧会だけでなく、ワークショップとしての展開も可能である。参加者が身の回りの反射素材を持ち寄り、他の参加者とシェアしたり、アーティストが用意した素材と組み合わせたりしてアートとしての実験を行う。あるいは好きな素材を選んで自分だけの独立型装置を制作するなど、内容は柔軟に対応可能です。

●展示やワークショップのご依頼やご提案につきましては、メールでご連絡ください。
raykaart.info@gmail.com (來迦)


【これまで「SELFVERSE」が展示された展覧会】
-VOLTA NEW YORK, ニューヨーク, USA2023

-"MUSIC IS・SELFVERSE", Art Yī, ブリュッセル, ベルギー, 2023

- "SELFVERSE: The Beyond" Beautiful World Exhibition, 河村能舞台, 京都, 2022
-
Solo Exhibition "SELFVERSE: Sparkling Heart" at CONTEXT Art Miami, マイアミ, USA, 2022

- Seattle Art Fair, シアトル, USA, 2022
-
Solo Exhibition "INTO THE SELFVERSE", Gallery G-77, 京都, 2021
- "宇宙をつくる、宇宙で遊ぶ" 小さくて大きな宇宙の国, 大善院ギャラリーおてらハウス, 京都, 2018

 © 2024 YUIKO RÁYKA 來迦結子

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